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ビル・ゲイツの資産運用の割合(ポートフォリオ)世界有数の大富豪として知られる、マイクロソフトの創始者=ビル・ゲイツ氏。フォーブス社の「世界長者番付」で1995年から2007年まで、13年連続で世界一の資産だと報じられています。ビルゲイツは現在もマイクロソフトの会長を務めていますが、現場からは離れ、自身と妻が設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を通じた慈善事業活動にシフトしているようです。 ビル・ゲイツが長者番付のトップに君臨出来たのは、ITバブル期を挟んで、マイクロソフト社の株式がとてつもない上昇を続けたからです。しかし2012年現在、ゲイツの私的財産に占めるマイクロソフト株の割合は20%程度と言われており、大半が上記の財団資産となっています。では、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の運用ポートフォリオ割合はどうなっているのか?調べてみました(※注1)。 ゲイツ財団のポートフォリオの約半数は「バークシャー・ハサウェイ」で占められています。バークシャー・ハサウェイは、ゲイツと同じく世界最大級の大富豪であり、長期投資の神様として知られるウォーレン・バフェットの資産運用会社です。ゲイツとバフェットは、慈善事業などで相思相愛の関係を築いていると言われていますが、その理由の一つが、ゲイツ財団の資産運用ポートフォリオに現れています。 ここまでは各所で語られている事ですが、これでは分析として不十分です。バークシャー・ハサウェイの運用ポートフォリオを分析し、その割合をゲイツ財団に振り分けて、始めて本当の姿が確認出来る訳です。
上記がその詳細を表した図です。バークシャー・ハサウェイは、20%がウェルズファーゴ銀行、19.3%がコカコーラ・・・というポートフォリオですので、これをゲイツ財団のバークシャー分である46.5%に振り分けると、以下のグラフになります。ゲイツ財団とバークシャー・ハサウェイの両方で重複している銘柄(コカコーラやウォルマート)などは、トータルでの割合が大きくなります。
これは慈善事業なのか?単なる税金対策という批判も・・・しかし、財団なのに多額の資金を株式投資で運用し、そのオーナーが世界で1.2を争う大富豪だという事に、違和感を感じる人も多いはずです。本当の慈善事業を行うのであれば、運用など行わず、全額を恵まれない子供達等に施すべきでは?と。ビル・ゲイツの財団を使った運用手法を「単なる税金対策だ」と非難する声も多いです。 米国の財団の定義(民間財団)としては、資産の5%以上を寄付に回す事が義務づけられています。逆に言うと、5%を寄付に回せば、それ以外の資産についても税金の優遇を受けられるわけです。しかも、ゲイツ財団の運用利回りは5%を遙かに超えており、資産は年々増え続けているのです。 わずかな金額を慈善事業に回すだけで、実体は投資ファンド、しかも財団の名を借りて税金の優遇を受けている・・・ゲイツ財団のやり口を批判する人が絶えないのは、もっともな理由だと思います。ビル・ゲイツがこの非難を封じるには、もっと財団資産の取り崩しを増やし、寄付に回す割合を増やす必要があるでしょう。 ※注1;ポートフォリオのソースはナスダックの公式サイトより(2012年末時点)。 |
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