海外投資データバンク別館(コラム集) | ||||||||||||
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名古屋や福岡や札幌に証券取引所は必要なのか?日本で株式市場と言えば、自動的に東証(の一部)を指します。大証やジャスダック、マザーズなどもありますが、成長した企業はほとんどが東証一部へ鞍替えしますので、語弊を恐れずに言えば「二軍の株式市場」と言わざるを得ません。 しかし、日本には名古屋や福岡や札幌にも、証券取引所は存在しています。こちらは更にマイナーであり、存在自体を知らない投資家の人も少なくないでしょう。勿論、売買高や上場企業数も極めて小さく、この中で最も大きな名古屋証券取引所でも、一日の売買代金は平均で10億円にも満たないので、東証の千分の一以下の規模です。 現在、証券取引所は世界的な競争下におかれており、大証でも単独では生き残りが難しいからと、東証との経営統合が決まりました。世界では更に巨大化が進んでおり、2007年には米国最大のニューヨーク証券取引所と、ヨーロッパ最大のユーロネクストが経営統合しています。 米国では、ニューヨークやナスダックだけでなく、全部で17の証券取引所が存在しています(2012年末時点)。但し、小さな取引所というのは淘汰される傾向で、大手グループに買収されるか、先物やオプション取引など特殊な金融商品に特化して生き残るか、二択を迫られる状況です。例えば、ボストン証券取引所やフィラデルフィア証券取引所はナスダックに買収され、アメリカン取引所はETF(※注1)、シカゴ・マーカンタイル取引所は商品先物に特化した形式で生き延びています。 このような競争下で、果たして名古屋・福岡・札幌などに、証券取引所を存続させる理由はあるのでしょうか?仮に今後も存続するとしても、生き残っていけるのでしょうか? マイナーな取引所は仕手筋の温床〜金融庁もグル?実はこの問題には、深い闇も関わっています。名古屋・福岡・札幌などのマイナー取引所は、仕手筋の温床となっており、暴力団などの資金源にされているという側面が指摘されています。そして証券取引所自体が、そういった怪しい企業を上場廃止にせず、野放しにしたままなので、グルになっているという話すらあります。そして、仕手筋が横行する事から投資家離れを起こし、出来高や売買代金がますます少なくなるという悪循環を生んでいます。 そもそも金融庁が、そのような不正蔓延る証券取引所を認可している事自体に、大いに問題があります。不正が野放しにされる理由は、取引所やその関連企業は、実は金融庁の貴重な天下り先なので、縮小すると自分達の利権も失うからです。つまり、証券業界を取り締まる金融庁までもが、広義では仕手筋と同じ穴の狢だといえるのです。 このことから、証券業界の透明性を高める事は、実は金融庁には不可能である(その意志がない)事が分かります。何だか絶望するような話ですが、我々個人投資家は、このような怪しい市場には手を出す必要は無いのです。世界にはニューヨークを筆頭に、上場基準が厳格で、透明性の高い株式市場は幾らでもあるので、そちらへ投資すれば良いのですから。 ※注1;アメリカン証券取引所(AMEX)は1993年に、世界で最初にETFを上場させた(S&P500ETF=スパイダー【SPY】)。このスパイダーは、時価総額が世界最大のETFであり、出来高も多く、アメリカン取引所の大きな収益源となっている。 |
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