海外投資データバンク別館(コラム集) | ||||||||||||
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国家が企業よりも安全・・・とは限らない資産運用のリスクを減らす為には、株式だけでなく債券(国債)にも分散すべきだというのが一般論です。国債というのは、その国で最も安全な資産であるとされているからです。 この理論が語られる際に、しばしば引用されるのが「国家は企業よりも破綻しにくい」という言葉です。国というのは簡単に破綻しないし、国家が潰れればその国の企業も潰れる、などとよく言われます。 一見するともっともらしく聞こえますが、この理論は決して正しくありません。即ち、国債の安全性は、企業の株式や社債より、必ずしも高いとは言えません。 このことは、その国やその企業に関わる人たちが、どういう理念で動いているのかを考えると、すぐに理解できます。企業の経営者や従業員は、その企業が発展していく為に行動します。もし、企業の経営が悪化すれば、経営者や従業員は、会社を建て直すことを最優先に考え、時には自らの賃金を削ってでも、経営回復に勤めます。 しかし、国家の財政が悪化しても、国を動かす官僚は、国家の建て直しのためには行動をしないのです。2012年現在の日本では、財政の健全化が必要であるにも関わらず、国家予算は年々増えているという、真逆のことが起きています。しかも、その財源は「消費税増税」つまり国民に押しつけようとされています。この裏には、消費税増税を主導する財務省が(軽減税率の設定を通じて)日本中の産業・業界団体に天下りを増やすということが計画されているのです。 財務省の官僚どもは、国民の金をネコババさえ出来れば、後は知ったこっちゃ無いと考えています。国民生活が崩壊しようとも、日本国が破綻しようとも、天下りさえ出来ればよいと考えているのです。従って、企業と違って「正しく」財政を健全化する方向には、一切働かないのです。 日本政府はトヨタ自動車よりも破綻しやすいこのように、国家財政が悪化した場合、企業のように自浄作用が一切働きません。従って、国債が企業の株・社債よりも安全などとは、決して言えないのです。 この主張には、実際の裏付けもあります。売上高が日本最大の企業であるトヨタ自動車は、1937年に設立されていますが、今日まで一度も経営破綻したことはありません。松下電器(現在のパナソニック)も1935年創業ですが、やはり一度も潰れたりはしていません。 一方で日本政府は、第二次世界大戦に敗れた1945年、国家破綻(デフォルト)して、国債は紙屑となった「前科」があります。しかし、日本国が破産したにも関わらず、トヨタも松下も、終戦を跨いで存続し続けているのです。 これでもまだ、国家は企業よりも安全だと言えるでしょうか? 厳密に言えば、日本国債は全て円建てなので、政府が日銀に国債を全て買い取らせる事で、デフォルトを回避できます。しかしその際には、日本国債の信用は失墜し、価格が大暴落をするので、国債を保有している投資家は、デフォルトされるのと大差ない大損害を被ります。 ◆関連サイト◆ |
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